フジテレビ ザ・ノンフィクション

ザ・ノンフィクションは、毎週日曜日14:00から放送されているドキュメンタリー番組です。放送は、1995年10月15日からとなります。
フジテレビ ザノンフィクション

番組紹介

番組としては、現在の日本を取り巻く色々な問題を長期取材するところに特徴があります。
取材対象は、本当に広く「ダンサー」「ホスト」「アイドル」「応援団 団員中学生」「離島の家族」などなどとなっています。

テーマソングは、「サンサーラ」です。
「生きてる 生きている
その現だけが ここにある
生きることは サンサーラ」
と何とも独特な歌詞ですが、ノンフィクションという番組の為にある様な曲です。
元々は、中 孝介さんが歌っていましたが、現在は、城 南海さんと言う女性が歌っています。

番組としては、映像とサンサーラの幻想的な音楽、そして都度異なるナレーターさん達が淡々と映像化された日常を放送します。
日常のすれ違いが後に大きな衝突やトラブルになりながらもそれをのみ込んだ「人」の生き様を描いていきます。

受賞

ドキュメンタリー番組として、高い評価を得ているザ・ノンフィクションですので、幾つかの賞を受賞しています。
■2011ニューヨーク・フェスティバルにてテレビ部門で銀賞を受賞。
■2011USインターナショナル フィルム&ビデオフェスティバルにおいて、ゴールド・カメラ賞とサーティフィケイト・フォー・クリエイティブ・ エクセレンス賞をそれぞれ受賞。
■2011アジア・テレビジョン・アワードの時事問題部門で最優秀賞を受賞。
■2012ニューヨーク・フェスティバルでも社会・時事問題部門で金賞を受賞。
■第29回ATP賞テレビグランプリ2012]]において、ドキュメンタリー部門で最優秀賞を受賞。
■2014ニューヨーク・フェスティバルにおいて、Human Concerns部門で金賞を受賞し、番組から生まれた映画がフィルム・ドキュメンタリー部門で銀賞を受賞。

ATP賞2012

 

 

 

第29回ATP賞について、簡単に。
ATP賞は、「社団法人 全日本テレビ番組制作社連盟」が主催する作り手が選ぶ賞となっています。
つまり、プロが見ていい物を選ぶ賞となります。

その中で、フジテレビ ザ・ノンフィクションの「まりあのニューヨーク 〜死ぬまでに逢いたい人〜」が、ドキュメンタリー部門で最優秀賞を受賞しました。
フジテレビ まりあのニューヨーク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内容としては、ALS(筋萎縮性側索硬化症)になった”まりあ”ことフランキ・マリア・さわのさんの最後の数ヵ月のお話です。
医師よりALSを告げられたまりあさんは、死を意識します。
そして人生の整理をするのですが、その過程で20年前に別れた夫に会いにニューヨークに行きます。
ホテルの一室で待つ間、来るのか分からない不安が募りますが、少し太った元旦那が入ってきます。
20年前の思い出を話し、2人は分かれます。
死が待っている事は分かっているのですが、まりあさんの死を受け入れる姿勢、これまでの人生などが感動的に描かれています。
フジテレビ ATP最優秀賞

 

 

 

 

 

 

この受賞の際の講評に以下の様にあります。
「一人の女性ALS患者の壮絶な記録だが、この番組は難病の記録を超えて、憧れ、愛、苦悩を経てひとりの女性が確かにこの世に生きた濃厚な実感、いわば「女の一生」を見た」
正に、その通りです。
病気と闘う女性ではなく、一人の女性の人生が切り取られた良作です。

感想

番組では、都会の中で活きる人々の苦悩や葛藤、悲哀、田舎に住む人々が直面する問題などを「人」を通じて描いていくことが多いのですが、その中で少し異質だったのが、「オウム裁判」です。
全編を通じて、実写と裁判風景のアニメで構成されていたのですが、ニュースでは、発生と結果しか報道されないケースが多いのですが、その過程に注目した作品でした。

勿論、教祖である人物の支離滅裂な証言や幼稚な行動など呆れるばかりなのですが、視聴者は、思うのです。
「なぜ、こんな愚かの人物の元に人々が集まり、非常識な指令に従ったのか?」
番組では、事件当時の社会やインテリと言われ、逮捕された実行犯についても紹介をしていましたが、個人的には、カルトに走る人の心境には全く共感も擁護も出来ませんでした。
この番組としての意義は、「記録」なんだと思います。
事実を事実として固定化する、この番組の存在意義はそこに尽きると思います。

そして、番組としては、一応エンディングに向けて区切りを付けているのですが、実際には、何も解決していないケースが多いのだと思います。
テーマソングにある通り「生きてる 生きている その現だけが ここにある」、問題があろうとなかろうと人は生きていかなければいけないのです。
この番組では、その後の追跡取材もしているのですが、どんどんやって、放送して欲しい物です。